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小売用語 ITFコードとJANコード

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小売業では、商品の在庫管理や販売情報の正確な把握が必要不可欠です。そのため、IT技術を活用した効率的な商品管理が求められています。本記事では、小売業でのIT活用として注目されている「ITFコード」と「JANコード」について、それぞれの特徴や活用方法を解説します。

ITFコードとは

ITFコード(Interleaved 2 of 5)は、バーコードの一種です。

ITFは主に段ボールや箱に印刷されており、物流商品コード用のバーコードとして利用されているバーコードです。ITFがあることで個々の荷物の中身を簡単に識別する事ができるので仕分けなどの作業が比較的楽になります。

また、ITFコードは、自動倉庫やコンベアがある物流現場でも使われるため、ダンボールなど外装への表示位置も規定されています。

段ボールの場合は左右どちらかの箱の端から19mm以上、箱の下辺からの間隔は32±3mmです。

JANコードとは

JANコード(Japanese Article Number)は、国際的な商品識別コードであり、小売業界で広く利用されています。日本で発行されるJANコードは、国際的にも認識できるEANコード(European Article Number)の一部で、各国の標準化団体によって管理されています。JANコードは、数字13桁で構成されており、国コード、メーカーコード、商品コード、チェックディジットからなります。

ITFコードとJANコードの違い

  1. 用途: ITFコードは主に物流業界や製造業で使用されることが多く、JANコードは小売業界で広く利用されています。
  2. 構成: ITFコードの中でITF-14(標準バージョン)ではコードが14桁で構成されています。左から順番に「物流識別コード:1桁」、「国コード:2桁」、「メーカーコード:5桁」、「商品アイテムコード:5桁」、「チェックデジット:1桁」の構成で成り立っています。つまり、「物流識別コード」+「チェックデジットを除くJANコード」+「再計算したチェックデジット」で構成されており、JANコードは物流識別コードのない13桁の数値で構成されています。
  3. 国際性: JANコードは国際的な商品識別コードであり、国際的にも認識できるEANコードの一部です。ITFコードは国際的な規格ではなく、主に物流業界や製造業で利用されるバーコードです。

ITFコードとJANコードの活用方法

1. 在庫管理の効率化

ITFコードとJANコードを活用することで、商品の在庫管理が大幅に効率化されます。バーコードリーダーを使用して、商品の入出庫情報を正確に把握することができるため、在庫の過不足や滞留を防止し、無駄を削減することが可能です。

2. 商品情報の正確性向上

ITFコードとJANコードによって、商品情報が正確に管理されるため、間違った価格設定や販売情報の誤りが減少します。これにより、顧客満足度の向上やクレーム対応の効率化が期待できます。

3. スピーディなレジ処理

JANコードを用いたレジシステムでは、商品のバーコードをかざすだけで価格情報や商品情報を取得できるため、レジ処理が迅速に行われます。これにより、顧客の待ち時間が短縮され、店舗の回転率が向上します。

4. 商品のトレーサビリティ

JANコードを活用することで、商品の生産・流通履歴を追跡することが可能になります。これにより、商品の安全性や品質管理が向上し、消費者の信頼を得られるようになります。

5. 売上分析と在庫最適化

ITFコードとJANコードを活用して収集した販売データを分析することで、売上の傾向や顧客の購買行動を把握することができます。この情報をもとに、在庫管理や商品陳列を最適化し、売上向上や在庫コストの削減が可能となります。

6. オムニチャネル戦略の実現

ITFコードとJANコードを活用することで、オフライン店舗とオンラインショップの在庫情報や商品情報を一元管理することができます。これにより、オムニチャネル戦略の実現が可能となり、顧客の購買体験の向上や販売チャネルの拡大が期待できます。

まとめ

小売業において、ITFコードとJANコードは、それぞれ異なる特徴と利点を持っています。ITFコードは物流業界や製造業での利用が多く、出荷をスムーズにします。一方、JANコードは小売業界で広く利用され、国際的な商品識別コードであることが特徴です。

これらのバーコード技術を活用することで、在庫管理や商品情報の正確性向上、レジ処理の迅速化、売上分析や在庫最適化、オムニチャネル戦略の実現など、小売業における効率化やコスト削減が図れます。自社の業態やニーズに応じて、適切なバーコード技術を選択し、IT活用を進めていくことが重要です。